パリ観光というと、移動は地下鉄(メトロ)が中心になりがちです。
でも、パリに何度も来ている人にこそ一度使ってほしいのが路線バス。
車窓から街並みを眺めながら移動でき、メトロの長い階段を上り下りする必要もありません。目的地によっては、メトロよりバスのほうがずっと楽なこともあります。
一方で、
「どこから乗るの?」
「乗るときに何をすればいい?」
「降りるときはボタンを押す?」
「チケットはメトロと同じ?」
と、初めてだと少し不安ですよね。
この記事では、パリ在住者の視点から、パリのバスの乗り方を乗車前から降車まで順番に解説します。
2026年9月現在の料金・交通ルールもあわせて紹介します。
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パリのバスは難しくない|乗り方は5ステップ

まずは流れだけ覚えておきましょう。
- 行きたい場所へ行くバス番号と方向を確認する
- バス停で待つ
- バスが来たら前のドアから乗る
- チケットやNavigoを必ずタッチする
- 降りる前にSTOPボタンを押し、中央付近のドアから降りる
基本的にはこれだけです。
日本のバスと大きく違うのは、乗車時に行き先を申告したり、整理券を取ったりする必要がないこと。
パリでは、基本的に乗車時にチケットやNavigoを認証すればOKです。
パリのバス料金はいくら?

2026年のTicket Bus-Tram(バス・トラム用チケット)は1回2.05ユーロです。
距離によって料金が変わる仕組みではなく、対象となるバス・トラム路線なら基本的に一律料金です。
Ticket Bus-Tramはパリ市内だけでなく、イル=ド=フランス地域の対象バスやトラムなどで利用できます。
また、最初の認証から1時間30分以内なら、バス・トラム間の乗り換えも可能です。
ただし、
- 同じ路線で途中下車して再び乗る
- 同じチケットで往復する
- バスからメトロへ乗り換える
といった使い方はできません。
特に覚えておきたいのが、バス用のTicket Bus-Tramと、メトロ・RER・鉄道用のTicket Métro-Train-RERは別のチケットになっていること。
以前のパリ旅行の感覚で「同じチケットで全部乗れる」と思っていると、ここで戸惑いやすいので注意してください。
パリのバスで使えるチケット

旅行者がバスに乗る場合、主に使いやすいのは次の方法です。
Navigo Easy
短期旅行者にも使いやすいチャージ式の交通カードです。
Navigo EasyにTicket Bus-Tramをチャージしておけば、バスに乗ったときに読み取り機へタッチするだけ。
カード本体は2ユーロで、駅の窓口や一部の券売機などで購入できます。
1枚のNavigo Easyを2人で同時に使うことはできないため、家族旅行なら基本的に1人1枚用意します。
スマートフォン
iPhoneやAndroidの対応端末なら、スマートフォンにTicket Bus-Tramを購入して、そのまま改札・車内の読み取り機にかざして使うこともできます。
Île-de-France Mobilités公式アプリなどから購入できます。
カードを増やしたくない人には便利です。
バス車内で買う

チケットを持っていない場合、車内で乗車用チケットを購入できる場合もあります。
2026年の車内購入料金は2.55ユーロ。
ただし、この車内購入チケットはそのバス1回のみ有効で、ほかのバスやトラムへの乗り換えには使えません。
そのため旅行中に何度か公共交通機関を利用するなら、あらかじめNavigo EasyやスマートフォンにTicket Bus-Tramを用意しておくほうが便利です。
パリのバス停の見方

パリのバス停には、停車するバスの番号が表示されています。
たとえば「42」「72」「95」のような数字が路線番号です。
ここで重要なのが、番号だけでなく方向も確認すること。
同じ番号でも当然ながら反対方向のバスがあります。
GoogleマップやÎle-de-France Mobilités、Bonjour RATPなどのアプリで検索すると、
- バス番号
- 乗るバス停
- 進行方向
- 降りるバス停
が表示されます。
特に見るべきなのがDirection(方向)。
通常は路線の終点となる停留所名で表示されています。
日本の電車でいう「○○方面」と同じです。
バスが来たら合図したほうが安心
目的のバスが近づいてきたら、運転手に分かるように軽く手を上げて合図しておくと安心です。
特に複数の路線が停車するバス停では、何もしないで立っていると、そのバスを待っていないと判断されることがあります。
大げさに手を振る必要はありません。
運転手のほうを見て軽く手を出せば十分です。
RATPも、複数の路線が停車するバス停では目的のバスに合図するよう案内しています。
パリのバスは前のドアから乗る

パリの一般的な路線バスは、前のドアから乗車します。
バスが停まったら前方のドアから乗りましょう。
ベビーカーや車椅子などの場合は中央のドアが使われることもありますが、通常の旅行者なら前から乗ればOKです。
乗車したら、すぐ近くにある読み取り機でチケットを認証します。
乗ったら必ずNavigoやスマホをタッチ

バスに乗ったら、Navigo Easyやスマートフォンなどを読み取り機にタッチします。
ここはかなり重要です。
すでに乗り放題パスを持っている場合でも、基本的に乗車するたびに認証します。
また、Ticket Bus-Tramを使ってバスから別のバスへ乗り換える場合も、乗り換え先のバスでも再度タッチします。
有効なチケットを持っているだけではなく、「認証していること」が必要です。
正常に認証されると短い音と緑色の表示が出ます。
検札が行われることもあるため、乗車中はチケットやカード、スマートフォンをすぐ提示できるようにしておきましょう。
バスに乗ったら降りる停留所を確認

車内には路線図や次の停留所を知らせる表示があります。
とはいえ、フランス語の停留所名を聞き取るのはなかなか難しいもの。
旅行中はスマートフォンのGoogleマップなどで現在地を表示しておくのがおすすめです。
「あと2駅」
くらいになったら、降りる準備を始めておきましょう。
バスはメトロより停留所間が短いことが多く、気づいたときには目的地を通過していた、ということもあります。
降りるときはSTOPボタンを押す

目的の停留所が近づいたら、車内にある赤や青のSTOPボタンを押します。
ボタンを押すと、運転手に「次の停留所で降ります」と伝わります。
日本の路線バスとほぼ同じです。
「誰かが降りるだろうから押さなくても大丈夫」
と思わず、自分で押しておいたほうが安心です。
降車は基本的に中央付近のドアから。
運賃は乗車時に処理しているため、降りる際に運転手へチケットを見せる必要はありません。
「ドアが開かない!」と慌てない

バスによっては、停車しても降車ドアがすぐ開かないことがあります。
車両によってはドア付近のボタンを押して開けるタイプもあります。
周囲の乗客がどうしているかを見れば分かるので、慌てなくても大丈夫。
パリではこうした「周りの人を一瞬観察すれば解決する」ことが意外と多いです。
バスからバスへの乗り換えはできる?
Ticket Bus-Tramなら、最初の認証から1時間30分以内であれば、対象となるバスやトラムへの乗り換えができます。
乗り換えたバスでも必ず読み取り機にタッチしてください。
有効な乗り換えなら、新しいチケットが別に消費されることなく認証されます。
ただし、Ticket Bus-Tramを使って
バス → メトロ
のように移動することはできません。
この場合は、メトロ用のTicket Métro-Train-RERなど別のチケットが必要になります。
観光客こそバスがおすすめな場合
「パリ観光ならメトロで十分」
と思っている人も多いでしょう。
確かに長距離を素早く移動するならメトロは便利です。
でも、実際にパリで暮らしていると、**旅行者ほどバスを使ったほうが楽なのでは?**と思う場面がかなりあります。
1.パリの街並みを見ながら移動したい
バスの最大のメリットはこれです。
メトロでは目的地までほぼ地下ですが、バスなら移動そのものが観光になります。
セーヌ川、オスマン建築の街並み、広場、カフェ、教会などを眺めながら次の目的地へ。
「観光地から観光地へ移動している時間」が、そのままパリ散歩の続きになります。
初めてのパリより、むしろ2回目、3回目のパリ旅行でバスを使ってみると、街の位置関係が分かって面白いと思います。
2.階段をできるだけ使いたくない
これは意外に大きなポイントです。
パリのメトロは便利ですが、とにかく階段が多い。
しかも日本の駅のように、どこにでもエレベーターやエスカレーターがあるわけではありません。
スーツケースがあるときはもちろん、
- 足腰に不安がある
- 小さな子ども連れ
- 一日歩いて疲れている
- ベビーカーを使っている
という人には、地上からそのまま乗れるバスのほうが楽なことがあります。
3.メトロだと乗り換えが多い場所へ行く
地図上では近い場所なのに、
「メトロだと一度中心部まで出て、また別の路線に乗り換える」
という場所がパリにはあります。
そんなときはバスを検索してみると、意外にも1本で行けることがあります。
Googleマップで検索するときも、メトロだけでなくバスルートまで一度比較してみるのがおすすめです。
4.景色を見ながら現在地を把握したい
地下鉄だけで移動していると、
「ホテルはここ、ルーヴルはここ、エッフェル塔はここ」
と点では分かっていても、その間がどうつながっているのか分からないまま旅行が終わることがあります。
バスなら街の中を移動するので、
「ここを曲がるとセーヌ川なんだ」
「この通りをまっすぐ行けばオペラ座なのか」
という発見があります。
パリの街を「点」ではなく「面」で理解できるのが、バスの面白さです。
5.雨の日に少しだけ移動したい
徒歩なら20分。
でも雨のなか20分歩くのはつらい。
そんなとき、近くのバス停から数駅だけ乗るとかなり楽です。
パリ市内にはバス停が多く、RATPによればパリでは平均して約300メートルごとにバス停があります。
「地下鉄駅まで歩いて、階段を降りて、また地上に出る」より、近くのバスに数駅乗るほうが早いケースもあります。
逆にメトロのほうがおすすめなのは?
もちろん、いつでもバスが最適というわけではありません。
バスは道路を走るため、渋滞の影響を受けます。
特に平日の通勤時間帯や、市内で交通規制が行われている日は予定より時間がかかることがあります。
そのため、
- 約束の時間が決まっている
- 鉄道の出発時間に間に合わせたい
- パリ市内を長距離移動したい
- 道路が混雑している
という場合は、メトロやRERのほうが時間を読みやすいことがあります。
私は、
急いでいるならメトロ、街を楽しみながら移動するならバス
くらいに使い分けるのがおすすめだと思っています。
夜22時以降は「停留所以外」で降ろしてもらえることも
これは旅行者にはあまり知られていないパリのバスのサービスです。
RATPのバスでは、22時以降、運転手にお願いすると停留所と停留所の間で降ろしてもらえる場合があります。
もちろん好きな場所で自由に降りられるわけではなく、安全に停車できる場所を運転手が判断します。
夜道を長く歩きたくない場合などに役立つサービスです。
この場合は通常とは異なり、前方のドアから降車します。
パリのバスでよくある失敗
初めて乗るときに特に気をつけたいのは、次のポイントです。
反対方向のバスに乗る
→ バス番号だけでなく「Direction」を確認。
バス停で待っていたのに通過される
→ 複数路線が停まる場所では、目的のバスに軽く合図。
Navigoを持っているのでタッチしない
→ パスを持っていても乗車時の認証が必要。
乗り換えなので認証しない
→ バスを乗り換えるたびにタッチ。
降りる直前までSTOPボタンを押さない
→ 目的地の一つ前の停留所を出たあたりで押しておくと安心。
この5つさえ覚えておけば、初めてでもそれほど難しくありません。
パリのバスの乗り方まとめ

パリのバスの乗り方は、一度経験してしまえばとても簡単です。
基本は、
バス番号と方向を確認 → 前から乗る → チケットをタッチ → STOPを押す → 中央のドアから降りる
だけ。
メトロに比べると旅行者には少しハードルが高く感じますが、使えるようになるとパリ観光の自由度がかなり上がります。
そして、バスの魅力は単なる「移動手段」ではありません。
窓の向こうにカフェが見えたり、突然エッフェル塔が現れたり、セーヌ川を渡ったり。
地下鉄では見えなかったパリが、バスからだと見えてきます。
急いでいる日はメトロ。
時間に余裕がある日はバス。
そんなふうに使い分けると、パリでの移動そのものが旅の楽しみになります。

